リーマン・ブラザーズの映画を見ていました。

「リーマン・ブラザーズ 最後の4日間」です。

この上の画像の向かって左側が、リーマン・ブラザーズのCEO責任者で、右が政府の金融関係の長、アメリカの財務長官です。

この映画は、2008年9月15日に、アメリカの巨大投資銀行リーマンブラザーズが経営破綻するまでの最後の4日間を描いた映画です。

倒産する前年2007年の総資産は約7,000億ドル⦅6,910億6,300万ドル
(2007年11月30日当時)2007年11月30日の為替レート110円15銭で計算すると、76,113,650,000,000円で76兆円⦆で映画でもいっていましたが、国によっては一年分の国家予算をも上回る金額です。

リーマン・ブラザーズ - Wikipedia

額が大きすぎて、電卓に数字を何度も入れ直しました。

ちなみに日本の三大都市銀行の一つ、三菱UFJ銀行の総資産額は単体:225兆5,969億92百万円だそうです。

三菱UFJ銀行 - Wikipedia

さすが日本の三代都市銀行の一つだけあって、リーマンの3倍以上です。

リーマンブラザーズが経営危機を迎えたのは、日本でも話題になったザブプライム・ローンの証券化です。

ザブプライムの意味は、プライムが優良という意味ですから、サブが付くことで、それほど優良ではない、つまり支払い能力が低い人たちへのローンのことです。

サブプライム層(優良客(プライム層)よりも下位の層)

2001年から2006年頃まで続いた住宅価格の上昇で、ザブプライム・ローンの債権が金融商品として投資銀行などから投資家へ売りに出されました。

つまり、借金をして家を買った人が払ったローン代金が、借金をした銀行ではなく、証券を買った投資家へ分配されるという仕組みです。

ザブプライム・ローンの債権は、単独で売られることはなく、他の金融商品とごちゃ混ぜにして、売られました。

そしてこの金融商品を多く購入したのが、リーマンブラザーズなど投資銀行でした。

しかし、事態は2007年から一変して、住宅価格が下落し始めました。

住宅価格が上がり続けているうちは、たとえ支払い能力の低い人が借りたローンでも、支払えなくなったら家を差し押さえて売却すれば、貸したお金よりも多くの金額で売れ、被害は出ませんが、住宅価格が下がってくると、たとえ売却しても貸したお金よりも低い金額でしか売れなくなり、その分は損失になってしまいます。

そのことで、ザブプライム・ローンを混ぜた証券を買った人は、証券を買った時よりも証券の価値が下がることになり損をします。

ここで疑問なのは、なぜザブプライム・ローンを証券化した商品が売れたかですが、それは、証券を格付けする会社が、住宅価格の上昇に対して楽観的な見方を持っていて、ザブプライムが含まれた証券にAAA(最高ランクの信頼度)をつけたからです。

ザブプライムだけの証券ならさすがにそんな信頼度は付けないのですが、色々な証券と混ぜることで、リスクを分散したため、そのような甘いランクづけをしてしまいました。

仮にザブプライムが下がっても、充分証券として価値を保てると思ったからでした。

しかし、その予想は2007年から大きく外れ、案の定住宅ローンを払えなくなる人が大量に発生しました。

その上、住宅価格も下がり始め、たとえ家を売却しても、貸したお金よりもずいぶん低い金額しか戻ってこなくなりました。

そのことで、ザブプライム・ローンを証券化して、他の証券と混ぜて売られた証券の格付けが低くなり、証券の価値も下がり、株が下がる時と同じように、損切りという、さらに価値が下がる前に、売ってしまおうという人が多くなり、株も大量に売られれば、その価値が下がるように、ザブプライムを含んだ証券も大量に売られることで、その価値は、投資銀行の予想を超える低価格になってしまいました。

ザブプライムを含んだ証券の怖さは、どの証券にザブプライムの証券が混ざっているかわかりづらかったことです。

つまり、トランプのバハ抜きで、カードを混ぜますが、バハを誰が持っているのかわからないというようなことです。

そのため金融商品全体への不安感から、証券全体の信用が危なくなってしまい、たとえ本当はザブプライムが含まれていなかった証券でも、買った人はもしかしたら含まれているかもと不安にかられ、売りに出されます。

そうして、証券全体の価値が下がりました。

その結果、大量にザブプライムが混ぜられているかもしれない証券を買ったリーマンブラザーズのような、投資銀行の不良債権保有率が上がり、それは会社の株価にも影響を与え、会社は大損するようになりました。

これは何もリーマンブラザーズだけではなく、メリルリンチなど他の投資銀行や一般の銀行でも同じでした。

同時期に、多くの金融機関の価値が下がり、経営危機を迎えました。

政府は様々な支援策をお金を出すことも含めて行ってきますが、それにも限度があり、しかも政府の支援策はあまり効果を産みませんでした。

ザブプライム証券による被害はリーマンブラザーズだけではなかったのです。

AIGなど多くの金融機関が危機に陥り、政府は様々な手を打ち奔走しますが、あまりにも数多くの金融機関があまりにも大きな損失を同時に抱えたため、政府も救済のための支援のお金は出せなくなりました。

一番の問題は、金融機関が保有する不良債権がいくらなのかもわからないということで、ザブプライムの証券は、様々な他の金融商品とごちゃ混ぜにされており、そして、さらにそのごちゃ混ぜにした金融商品(証券)を再び他の金融商品と混ぜたものですから、ザブプライムの損失がいくらなのかということすらわからなくなってしまいました。

そして、とうとうリーマンブラザーズは2008年9月15日に倒産しました。

倒産する前日まで、リーマンブラザーズという会社をまるごと買ってくれるところを探しましたが、やはり不良債権がいくらあるのかも正確にはわからないということで、買ってくれそうで最後まで交渉を続けた金融機関も手を引きました。

財務長官は、ザブプライムが問題になってから、リーマンブラザーズのCEOに、早くリーマンブラザーズを他の会社に売るように指導してきたのですが、CEOは、ザブプライム以前にこれまで何度も経営危機を乗り越えてきた人でしたので、それが仇となって、今回も乗り越えられると思い、会社がまだ売れる時に売ることはしませんでした。

長くなりましたが、これまでリーマンブラザーズの倒産のことは知っていましたが、金融機関のことは私はあまりよくわからないので、どれほどの深刻さかも知りませんでしたが、今回、このイギリスのBBCが作った映画を見て、売るときは売る、引くときは引くということが必要なのだということと、その判断の難しさを知りました。

金融のプロでさえ、売り時、つまり引き時を誤るのですから、金融問題にかかわらず、人生全般において、色々な判断の難しさを思いました。

via PressSync

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