オリビアとジョンスコットとピーター・ビショップ

アメリカのテレビドラマ「フリンジ」は怪奇な現象を捜査するFBI捜査官と民間顧問のチームの話ですが、このドラマの面白さは、そのチームの一人一人の個性が最大限に表現されていることだと思います。

チームの一人一人が重要な役割を果たしますが、オリビアとジョンスコットとピーター・ビショップは特に重要な役割を果たすような気がします。

この辺は、観る人によって違ってくると思いますが、ジョンスコットはオリビアの恋人でした。しかし、ある事件をきっかけにオリビアは必死になってジョンスコットを救う道を懸命に探すことになります。そこで出会うのがピーター・ビショップです。

ストーリーが進むにつれ、ジョンスコットはオリビアを裏切っていたことがわかってきます。ただ本当に裏切っていたのかどうかは観る人によって違ってくるような展開です。

事件解決のために、オリビアは瀕死のジョンスコットと意識を共有することを、ウォルター・ビショップ博士の協力のもとで行います。

愛するものを救うために奔走するオリビアでした。

そして、意識を共有してまで救ったジョンスコットは実は裏の顔があり、仕事の面でも、オリビアをも裏切っていたことがわかってきます。

そして、最後はオリビアの腕の中で彼は生き絶えるのでした。

これは大きなショックです。子供の頃の義父からの虐待を受けていたことと、このジョンスコットの裏切りによって、オリビアは人を心底から信じるということができなくなっていました。

その感情を少しずつ太陽が氷を溶かすように、オリビアの心を変えていったのが、ジョンスコットを救うために、脅迫までして滞在先のイラクから連れてきたピーター・ビショップです。

オリビアとピーターは一朝一夕に愛し合うようになったわけではありませんでした。

もう一つの世界のオリビアとピーターが親密になったり(ピーターはその時、潜入していたもう一つの世界のオリビアだとは気づいていませんでした)、時間軸からピーターが消されて、再び復活してピーターの存在を誰も知らないという状況になり、オリビアさえもがピーターをストレンジャーとして見ていて、ピーターは違う時間軸にいると思って、元の時間軸に戻ろうとしているときに、オリビアはある時彼の夢を見るようになり、そこから徐々にピーターの記憶が蘇ってきます。

前にもう一つの世界から潜入したオリビアと親密になったことで、もう一つの世界に記憶を入れ替えられていたこちら側のオリビアがある日我に帰って元のオリビアに戻って、元いた世界に戻ってきたときに、ピーターがもう一つの世界のオリビアと親密になっていたことを知り、自分の人生が乗っ取られた、ピーターに裏切られたという気持ちを持ち、ピーターにもなぜ、私じゃないとわからなかったのかといったときのことを、ピーターはとても罪悪感を持っていて、そのため、自分は違う時間軸の中にいると思っていたピーターは、まだ自分が帰るべき時間軸の中のオリビアを裏切ってしまうことを恐れたピーターは、オリビアの愛情に応えることができませんでした。

二度と同じ過ちを犯したくなかったからです。

しかし、ある時、未来から来た地球を人類創世の頃から見張ってきた人物の言葉で、ピーターは違う時間軸の中にいるのではなくて、いま目の前のオリビアが、君のオリビアだと告げられます。

このフリンジというドラマは、オリビアを中心とした愛の物語でもあると思います。

そこが、他のSFドラマと違う点だと思います。

もうこのドラマは日本語吹き替え版で3回観て、今また字幕版で観直しているのですが、そうした見方ができたのは今回が初めてです。

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